てっちり(フグのお鍋)の呼び方の由来を知っていますか?
寒い季節になると食べたくなるのが鍋料理ですよね!
材料をそろえて切って入れるだけだから簡単だし、体もあったまるので、寒い時期にはうってつけの料理といえます。我が家でも冬はしょっちゅう鍋してますが、鍋料理の中でも一番はやはりフグのお鍋「てっちり」でしょう。
どうしてフグのお鍋を「てっちり」って呼ぶのか、その理由を知ってますか?
これは昔の人がフグが鉄砲(てっぽう)と呼んでいたことからきています。
フグは毒があることで有名ですよね。
日本では縄文時代から食べられていますが、昔はフグを食べて毒にあたって中毒死してしまう人も少なくなかったようです。今では安全に食べられるようになっていますが、豊臣秀吉の時代になるとフグを食べることは禁止されました。朝鮮に出兵した際に兵士が中毒死したとか、その時代にフグで中毒死した人が多かったためなど、諸説あります。
江戸時代前期の俳諧師である松尾芭蕉が「あら何ともなや きのふは過ぎて ふくと汁」という句を残していますが、このことからも昔もフグを食べて中毒になった人は多かったと考えられており、食べるとあたり、あたれば死ぬこともあるということからフグのことを「鉄砲」と呼ぶようになったそうです。毒にあたると死ぬフグと、弾にあたると死んでしまう鉄砲をかけた洒落からついた呼び方なんですね。
そのため、フグのお鍋は鉄砲鍋(てっぽうなべ)とも言います。
また、「ちり」とは「ちり鍋」のことで、これは白身の魚を使った鍋のことを言います。魚の切り身を熱い鍋の中に入れると、身がちりちりと縮んでいく様子から「ちり鍋」と名付けられたと言われています。
この「鉄砲」と「ちり鍋」の二つが合わさり「鉄のちり鍋」となり、「てっちり」へと変わっていったみたいです。
これがフグの鍋料理が「てっちり」と呼ばれている理由です。ちなみにフグの呼び方は地域ごとにさまざまな違いがあります。
「てっちり」という呼び方は全国共通の呼び方ではなく、主に大阪など関西の方でそう呼ぶことが多いみたいです。