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ふく百話(79)

「カモンワーフはふく横丁の予定だった?」

現在の唐戸市場は旧運輸省第四港湾建設局隣接の埋め立て地に平成13年に建て替わりました。そしてそれまで唐戸市場があった場所に建設されたのがカモンワーフで平成14年オープンです。

唐戸市場は下関市が建設する公共施設です。それと異なりカモンワーフは民間が土地を市から借りて建設しました。私は取締役総務部長として小野の秘書的な仕事もしていましたので、折に触れ身近で小野の構想を聞いていました。

小野は市民に開かれた市民市場としての建て替えと旧唐戸市場の跡地には市民や観光客が大勢集まり、賑わいのある観光魚市場を考えていました。それで全国の市民市場、観光市場を視察しました。北は北海道の函館朝市、釧路フィッシャーマンズワーフ、札幌二条市場。東北の金沢近江町市場、秋田市民市場、青森三角市場、岩手県宮古魚菜市場。関東では東京築地場外市場、静岡県焼津おさかなセンター。関西では大阪黒門市場、京都錦市場。九州では北九州旦過市場、福岡市柳橋連合市場。沖縄では那覇市牧志市場。海外では韓国釜山チャガルチ市場、シンガポールの屋台村。アメリカ東海岸のカナダハリファックス、アメリカ・ニューヨーク、ボストン、ボルチモア、マイアミ等のウオーターフロント再開発。

国内は小野社長、元下関市役所建設部長、ゼネコンの地域開発担当幹部とともに、外国へは私一人で視察に行かせていただきました。

小野は平成5年死去しました。構想は固まっていませんでした。残された私は構想の実現は小野の遺言だと心に誓い実現に向けて邁進しました。特に観光魚市場は民間建設なので構想が固まらず苦労しました。幸い商工会議所の商店街活性化事業に取り上げられ2年間、商工会議所の職員が事務局、かつ会議室などを無償で借りることができ準備を重ねました。2年の期間が経過し、いよいよ会社を立ち上げることとなりました。唐戸市場では卸の下関唐戸魚市場(株)が中心です。卸会社の多角経営、地域貢献のストーリが出来ました。新会社資本金の目標は2憶円。中心は下関唐戸魚市場ですが会社にはそれだけの現金はありません。借入金では取締役会で難色を示されました。それで一計を案じました。

当時の下関唐戸魚市場の資本金は4千万円、それを2、5倍の増資をして1億円にする。増資による現金と預金を合わせ新会社に1億円の出資をするという案でした。今から考えても人生最大の賭けでした。一部反対がありましたが株主が増資に応じてくれました。人々の応援に感謝しました。

1億円の出資を見届けて山口銀行は出資と人を、西中国信用金庫は出資をしてくれました。ライバルであった下関中央魚市場も浜崎社長が山田社長と下関商業高校で同期であった関係もあって魚食普及になればと1千万円の出資を、さらに下関唐戸魚市場の仲卸人にも沢山出資をしていただき出店もして頂きました。

公認会計士のサポートを得て下関フィッシャーマンズワーフ�蠅�設立されました。社長は唐戸魚市場社長の山田氏でした。私は役員には就任しましたが県議会議員でもあり社長にはなれませんでした。

私はここで壁にぶち当たりました。会社を設立して小野の遺言は果たしたものの、施設内容について知識が不足していました。限られた資金で施設建設し、建物は関門海峡を意識して海側が玄関のイメージとしました。店舗配置については出店希望者が沢山あったわけではないので出店要請、営業しました。

あの時、「ふく」に対するこだわりがもっと強ければ、店舗を埋めることが優先より「ふく横丁」に徹した方が、よかったのではと反省です。

全国的には民間と行政の合体である「第三セクター」が花盛りでしたが、あえて民間経営に徹しました。その後、全国で第三セクターの倒産が続きほとんどが経営に行き詰まりました。下関フィッシャーマンズワーフ�蠅任藁濱僂寮峪�も解消して黒字経営となりました。カモンワーフという名称は開業時に一般公募して決まりました。関門海峡に「カモン」と「ワーフ」は港です。関係者の努力でここまで来ました。各お店には「ふく」をはじめ「くじら」「あんこう」その他鮮魚のメニューが並んでいます。おかげ様で多くのお客で賑わっています。